戦後すぐの市民の娯楽はラジオでした。
企業が作るラジオだけでなく、セミプロが部品を組み合わせて製造するものも安価・高性能だったため人気がありました。
そのような時代、アルプスアルパインの前身である片岡電機はラジオチューニングに使用するロータリースイッチとラジオで受信する電波の周波数を変えるバリコンを開発。
それがセミプロの間で性能を高く評価され、当初セミプロ向けの問屋が卸先でしたが、次第にセットメーカーにも販路を広げることで、成長を遂げます。
アルプスアルパインのあゆみ
アルプスアルパインのあゆみ
1940 年代 ラジオが生活を彩る時代。アルプスアルパインの歴史が始まる
1950 年代 テレビとラジオ、エンターテイメントの拡大。テレビチューナー生産始動
1953年にテレビ放送が日本で開始。当社はテレビの番組を変えるチューナーを日本で初めて開発・生産しました。
海外企業が日本の労働力を求める時流に合わせ、当社は海外企業から積極的に技術導入をし、テレビチューナーのトップクラスのメーカーへと上り詰めます。国内への販売にとどまらず、海外メーカーへの輸出も増え、輸出貢献企業として通産省から表彰されました。
1960 年代 マイカーブームの到来。車載セットメーカーの誕生
NHKと民放4局がカラーテレビの本放送をスタートしカラーテレビが広く普及するようになり、1964年には東京オリンピックを契機として爆発的に売れました。
チューナーに加えボリュームも生産していた当社はテレビの普及により一層勢いを増します。
1960年代後半初頭には日本の高度経済成長にともないマイカーブームが到来。1967年には日本はアメリカに次ぐ世界第2位の自動車生産国になりました。その年、アルパインの前身であるアルプスモトローラは誕生し、車載事業への本格参入を果たしました。
1970 年代 省エネと省力化の時代到来。OA関連部品が躍進
オイルショックをきっかけに日本で省エネ法が設けられたこのころ、ビジネスの場ではオフィスオートメーション(OA)化が進み、コンピューターや電卓、コピー機、ファクシミリなどの電子機器が登場しました。
それに伴い、アルプス電気でもコンピューターに使用するキーボード、スイッチ、磁気ヘッド、プリンターなどの売り上げが好調となります。
カラーテレビ・オーディオといった家電市場も引き続き好調で、アメリカで登場し流行したケーブルテレビ用のホームコンバーターの輸出が増加しました。
アルパインはオーディオをはじめとした車載機器の開発で事業を拡大させました。
1980 年代 デジタル革命が加速。カーナビや光通信など未来を切り拓く製品たちを輩出
アナログ時代が終焉し、デジタル化の先駆けとなる製品が多く出現しました。
80年代後半は内需主導型の好景気が続き、電子業界はコンピューター、ICを中心に大きく成長しました。オフィスではPCの導入が始まり、家庭ではCDラジカセの登場によりオーディオブームが訪れます。
自動車業界も好調で、1980年代には日本の自動車生産台数は1,000万台を突破し、アメリカを抜いて世界1位になりました。
アルプス電気では、オフィス向けのフロッピーディスクドライブやプリンター、家庭向けにはビデオ用リモコンのスイッチや磁気ヘッド、シリンダーに加え、ラジカセ用のボリュームが盛況でした。
またカーナビの前身となるジャイロケータ※1を本田技研工業とアルプス電気・アルパインで共同開発しました。
1990 年代 インターネット時代の幕開け。PC関連製品のバリエーション拡大
デジタル家電は進化を続けます。ノートPCや超小型PCが誕生し、PCが誰でも使えるものへと変化しました。
90年代半ばからは本格的にインターネットが普及します。
アルプス電気ではデジタル家電で使うスイッチや磁気ヘッドに加え、PCのキーボードやマウスの生産に携わることでビジネスを拡大していきました。
90年代に入りカーナビが普及し始め、車載機器が音響に加え映像や情報、通信などの情報センターとしての機能を持ち始めました。
アルパインは、ジャイロケータ開発の経験を活かし、カーナビを中心とした製品を多く輩出。
対自動車メーカー向けのOEMビジネスを拡大するとともに、市販品でも数々の商品を創出し、1995年には市販品が国内トップシェアを獲得しました。
2000 年代 デジタルメディアの進化。MRヘッド・磁気ヘッド・光通信技術が花開く
2000年代前半は通信の時代となり、パソコン・携帯電話を中心に、世界中で機器需要が大きく減少しITバブルが崩壊、厳しい時代を迎えました。
しかし、10年代半ばから薄型テレビ、DVDプレーヤー、デジタルカメラなどのブームが始まり、これに伴い、アルプス電気ではMRヘッド・磁気ヘッド・光通信技術が進化を遂げました。
アルパインはフラッグシップモデルを発表し、高級・高品質ブランドとしてのイメージを確立。環境への意識が高まり、環境貢献型製品が増えてきた時代でもあります。
2010
年代
スマートフォン普及とSociety5.0へのあゆみ。
アルプス電気とアルパイン、強みを発揮した事業展開
2007年のiPhone発売をきっかけにスマートフォンが一気に普及しました。それに伴い、スマートフォン周りの機器や、ソフトウェアの需要が拡大します。
アルプス電気は各種センサーの強みを生かし、機構部品から素材の会社へと変化。一方でアルパインは、国内市場における子育て世代をターゲットとした戦略が奏功し、市販市場にて売り上げを伸ばしていきました。
2011年3月の東日本大震災では、特に東北地方にある社屋が甚大な被害を受けましたが、社員とその家族、地域の方々の協力のおかげで地震発生から約2週間で稼働を再開することができました。
1940 年代 ラジオが生活を彩る時代。アルプスアルパインの歴史が始まる
戦後すぐの市民の娯楽はラジオでした。
企業が作るラジオだけでなく、セミプロが部品を組み合わせて製造するものも安価・高性能だったため人気がありました。
そのような時代、アルプスアルパインの前身である片岡電機はラジオチューニングに使用するロータリースイッチとラジオで受信する電波の周波数を変えるバリコンを開発。
それがセミプロの間で性能を高く評価され、当初セミプロ向けの問屋が卸先でしたが、次第にセットメーカーにも販路を広げることで、成長を遂げます。
1950 年代 テレビとラジオ、エンターテイメントの拡大。テレビチューナー生産始動
1953年にテレビ放送が日本で開始。当社はテレビの番組を変えるチューナーを日本で初めて開発・生産しました。
海外企業が日本の労働力を求める時流に合わせ、当社は海外企業から積極的に技術導入をし、テレビチューナーのトップクラスのメーカーへと上り詰めます。国内への販売にとどまらず、海外メーカーへの輸出も増え、輸出貢献企業として通産省から表彰されました。
1960 年代 マイカーブームの到来。車載セットメーカーの誕生
NHKと民放4局がカラーテレビの本放送をスタートしカラーテレビが広く普及するようになり、1964年には東京オリンピックを契機として爆発的に売れました。
チューナーに加えボリュームも生産していた当社はテレビの普及により一層勢いを増します。
1960年代後半初頭には日本の高度経済成長にともないマイカーブームが到来。1967年には日本はアメリカに次ぐ世界第2位の自動車生産国になりました。その年、アルパインの前身であるアルプスモトローラは誕生し、車載事業への本格参入を果たしました。
1970 年代 省エネと省力化の時代到来。OA関連部品が躍進
オイルショックをきっかけに日本で省エネ法が設けられたこのころ、ビジネスの場ではオフィスオートメーション(OA)化が進み、コンピューターや電卓、コピー機、ファクシミリなどの電子機器が登場しました。
それに伴い、アルプス電気でもコンピューターに使用するキーボード、スイッチ、磁気ヘッド、プリンターなどの売り上げが好調となります。
カラーテレビ・オーディオといった家電市場も引き続き好調で、アメリカで登場し流行したケーブルテレビ用のホームコンバーターの輸出が増加しました。
アルパインはオーディオをはじめとした車載機器の開発で事業を拡大させました。
1980 年代 デジタル革命が加速。カーナビや光通信など未来を切り拓く製品たちを輩出
アナログ時代が終焉し、デジタル化の先駆けとなる製品が多く出現しました。
80年代後半は内需主導型の好景気が続き、電子業界はコンピューター、ICを中心に大きく成長しました。オフィスではPCの導入が始まり、家庭ではCDラジカセの登場によりオーディオブームが訪れます。
自動車業界も好調で、1980年代には日本の自動車生産台数は1,000万台を突破し、アメリカを抜いて世界1位になりました。
アルプス電気では、オフィス向けのフロッピーディスクドライブやプリンター、家庭向けにはビデオ用リモコンのスイッチや磁気ヘッド、シリンダーに加え、ラジカセ用のボリュームが盛況でした。
またカーナビの前身となるジャイロケータ※1を本田技研工業とアルプス電気・アルパインで共同開発しました。
1990 年代 インターネット時代の幕開け。PC関連製品のバリエーション拡大
デジタル家電は進化を続けます。ノートPCや超小型PCが誕生し、PCが誰でも使えるものへと変化しました。
90年代半ばからは本格的にインターネットが普及します。
アルプス電気ではデジタル家電で使うスイッチや磁気ヘッドに加え、PCのキーボードやマウスの生産に携わることでビジネスを拡大していきました。
90年代に入りカーナビが普及し始め、車載機器が音響に加え映像や情報、通信などの情報センターとしての機能を持ち始めました。
アルパインは、ジャイロケータ開発の経験を活かし、カーナビを中心とした製品を多く輩出。
対自動車メーカー向けのOEMビジネスを拡大するとともに、市販品でも数々の商品を創出し、1995年には市販品が国内トップシェアを獲得しました。
2000 年代 デジタルメディアの進化。MRヘッド・磁気ヘッド・光通信技術が花開く
2000年代前半は通信の時代となり、パソコン・携帯電話を中心に、世界中で機器需要が大きく減少しITバブルが崩壊、厳しい時代を迎えました。
しかし、10年代半ばから薄型テレビ、DVDプレーヤー、デジタルカメラなどのブームが始まり、これに伴い、アルプス電気ではMRヘッド・磁気ヘッド・光通信技術が進化を遂げました。
アルパインはフラッグシップモデルを発表し、高級・高品質ブランドとしてのイメージを確立。環境への意識が高まり、環境貢献型製品が増えてきた時代でもあります。
2010
年代
スマートフォン普及とSociety5.0へのあゆみ。
アルプス電気とアルパイン、強みを発揮した事業展開
2007年のiPhone発売をきっかけにスマートフォンが一気に普及しました。それに伴い、スマートフォン周りの機器や、ソフトウェアの需要が拡大します。
アルプス電気は各種センサーの強みを生かし、機構部品から素材の会社へと変化。一方でアルパインは、国内市場における子育て世代をターゲットとした戦略が奏功し、市販市場にて売り上げを伸ばしていきました。
2011年3月の東日本大震災では、特に東北地方にある社屋が甚大な被害を受けましたが、社員とその家族、地域の方々の協力のおかげで地震発生から約2週間で稼働を再開することができました。