お客様との関わり

研究開発

 現在、地球環境の変化、新興国の急速な成長をはじめとした世界経済の変動の中、車の自動運転技術やIoT等に代表される電子化技術は急速な進化をしています。アルプス電気グループでは、こうした事業環境の変化に対応しつつ、培ってきた技術の進化と融合により社会的に意義のある高付加価値の製品創出にむけた研究・開発を持続的に行っています。
 私たちは、「美しい電子部品を究める」を研究開発における基本方針とし、第8次中期経営計画においてもコア技術の深化・融合をより加速させ、新たな「価値」ある製品を創出します。

体制

顧客・市場ニーズへの対応

 私たちは、基礎技術・先端技術の開発は日本で行い、顧客や市場のニーズに合わせた製品バラエティの設計は現地で開発する体制を採っています。これにより技術・製品の共通化・標準化をグローバルに推し進めています。
 また、国内外の大学や研究機関との共同研究や、他社との協業による開発、またグループ内の電子部品事業と車載情報機器事業との協創による開発にも積極的に取り組んでいます。

戦略

研究開発費(電子部品事業)

 私たちは、長年培ったメカトロニクス技術・プロセス技術・材料技術・各種設計技術を深化させ、これらを融合するイノベーションを継続し、「市場・顧客ニーズに合致」した新規事業・製品の創出で他社との差別化を図り、優位性を確保します。
 コア技術をベースに新しい機能追加を継続し、同時に「環境」にも配慮した新たなビジネス分野への展開を図る「しみだし」と、容易に真似されることのない「技術のブラックボックス化」による製品開発を重視しています。
 これらを基本に私たちは、「HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の深化」・「センサバラエティの拡大」・「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を成長エンジンとして注力し、EHII*の確立・車載デバイスの拡大を図ることで、これからの社会が求める、人にも地球環境にもやさしい豊かな暮らしの実現に貢献できる製品開発を行っています。

* EHII : Energy, Healthcare, Industry, IoT

グローバル開発体制

グローバルでの開発

アライアンス活動

 当社グループにない新技術は、外部からの技術の導入により開発のスピードアップを図り、市場・社会ニーズに対応した製品をいち早く顧客に届けられるよう、各分野での協業を積極的に進めていきます。

オープンイノベーションを取り込むため「組織」対「組織」の組織的連携を推進

 2017年3月、東北大学とアルプス電気は、「組織的連携協力協定に」に調印・締結しました。本協定は、震災復興・地方創生・新産業創出を目的とした東北大学が進める産学連携モデル「ビジョン共創型産学パートナーシップ」の取り組みのひとつです。東北大学とアルプス電気が「組織」対「組織」の連携・協力をすることで、新たな競争力による先端技術新事業の創出を目指すと共に、地域産業の持続的成長促進に向けたイノベーションを担う人材育成を図っていくことで、電子部品産業の振興と社会全体への発展に寄与することを目的としています。
 活動の推進のために連携協議会を設置し、(1)共同研究の推進、(2)研究者の研究交流を含む相互交流、(3)研究施設、設備等の相互利用、(4)教育・人材育成の推進および相互支援、(5)社会イノベーションラボ(仮称)の設置検討を進めていきます。

ビジョン共創型産学パートナーシップ」イメージ図

将来の成長エンジンの開発に向けての取り組み

コア技術の強化

 私たちは、独自のコア技術に磨きをかけ、深化させることが製品の競争力強化にとって最も重要と考えています。当社グループはコア技術として、各種設計技術(機構設計・ソフトウェア・IC・高周波・光学・静電)、評価・シミュレーション技術、材料技術に加え、製品を生産するためのプロセス技術(精密加工・微細印刷・MEMS・精密金型・自動組立)を有し、これらのコア技術の深耕を進めることによる「しみだし」と、コア技術と新しい技術との融合により、他の追随を許さない競争力のある製品を継続的に生み出しています。

コア技術の融合により注力する技術分野

HMI

 HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)とは「人と機器をつなぐもの」を意味し、当社が創業時から追究し続けている分野です。さまざまな入出力関連の電子部品の開発を通した豊富なノウハウを基に、タクトスイッチ®やグライドポイント™などを生み出してきました。私たちは人にとって使いやすく、感触の良い製品を開発するために新たな材料開発や精密加工技術などの独自技術を追究し続けています。
 スイッチ、タクトスイッチ®、可変抵抗器などのヒストリカルな製品群はこれらの独自技術をベースとして幅広い電子機器に搭載されています。
 近年は操作デバイスのタッチ化とその進化が顕著であり、私たちは静電容量検出技術を応用し、タッチパネルの曲面化やより感度をアップした製品の開発を進めています。

センサリング™

 このセンサ分野において私たちは、磁気・地磁気・湿度・気圧・圧力・光・電流等の各種物理量を検出する技術をこれまでに開発してきました。これらのセンサ技術を生かすことで、微細な信号変化の検知を可能とし、電子機器にとって最適な信号のフィードバックを行う各種センサ製品を開発することにより、さまざまな電子機器のニーズに応えています。
 また、これらセンサ製品のモジュール化・システム化と共にIoTを活用することで、電力制御や医療・ヘルスケアなどの新しい社会インフラへの展開も進めています。

コネクティビティ

 コネクティビティは、機器と機器、情報と情報の的確な接続を実現する分野であり、私たちはそのベースとなる高周波技術を、放送・通信ビジネスを通して長年培ってきました。
 昨今安全・安心の交通社会に向けて自動車における車内でのスマートフォンとの連携や、路車間・車車間の情報通信が急速に進展しています。
 また、スマートシティなど新しい省エネルギー社会の実現に対しても、コネクティビティ技術へのニーズの高まりが顕著になってきています。
 これらの市場ニーズに対して、Bluetooth®、W-LAN、LTEなどに対応した高周波技術を追究しています。

注力する市場への対応状況

 私たちは将来拡大が見込まれる、車載・モバイル・エネルギー・ヘルスケア・IoT市場に向けて、最適な製品をタイムリーに投入しています。

車載

2016年度製品開発事例

2016年度製品開発事例

曲面対応静電タッチパネル

 自動車市場において、車の安全・安心・快適・環境に対する要求はますます高まっており、将来の完全自動運転を見据えた先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driving Assistance System)や、地球環境を意識した電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCV)の技術開発が従来の自動車メーカー以外の企業を含め進められています。
 私たちはエンジン、シャシーに使用されるセンサやADASに用いるデバイス製品の拡充、電子シフターなど車室内で人が操作するモジュール製品まで幅広く開発を行っています。
 また、車載ビジネスにおいては機能安全の要求も高まっており、私たちもその要求に対応する組織体制を構築し、推進しています。



エネルギー

2016年度製品開発事例

2016年度製品開発事例

リカロイ™トロイダルコイル

 地球温暖化、環境破壊は、地球規模での重大な課題です。私たちは、低消費電流・省資源型のパワーインダクタ、各種センサ、通信モジュール、並びに東北大学と共同開発した磁性素材「リカロイ™」の特徴を生かしたモジュール製品を開発しています。また、アルプス電気グループ内の開発体制の再編や海外電力会社との協業契約締結など、同市場での事業基盤の確立と将来の拡大に向けた取り組みを進めました。エネルギー使用量の見える化や、より効率的なエネルギー変換を実現する製品を提供することで、スマートシティの発展や再生可能エネルギーの実用化に貢献していきます。



モバイル

2016年度製品開発事例

2016年度製品開発事例

オートフォーカス用アクチュエータ

 スマートフォンは、高付加価値モデルを擁する中国スマートフォンメーカーが躍進し、北米メーカーの新型機種も堅調に推移しており、引き続き市場規模の拡大が期待される市場です。また、VR(バーチャルリアリティ)製品の市場投入で、関連技術に注目が集まるなど、新しい動きも活発化しています。
 この市場はモデルの入れ替わりが速く、競争が熾烈でもあり、お客様のニーズへの迅速な対応が求められます。そのニーズに応えるため、私たちは、カメラのオートフォーカス用アクチュエータをはじめ、各種スイッチ、センサ、コネクタ、タッチパネルなど幅広い製品の開発・生産を行っています。




ヘルスケア

2016年度製品開発事例

2016年度製品開発事例

マイクロ流路

 高齢化社会の進展に伴い病気を未然に防ぐため、日常的な健康状態や環境情報のモニタリングニーズが高まっています。私たちは拍動や血流などの生体情報も高精度にセンシングし、コネクティビティ(無線通信)技術を生かしたヘルスケア機器向けデバイスを開発しています。




IoT

2016年度製品開発事例

2016年度製品開発事例

環境センサモジュール

 新市場として、今後大きな伸びが期待されるIoT(Internet of Things)市場に向けた各種展示会などにおいてIoTを活用した各種のソリューション実例を交えて紹介するなどの積極的な提案活動を進めたことでビジネスが堅調に推移しています。
 アルプス電気グループは、IoTの進展を見据えて、継続して各企業、地方自治体とのコラボレーションや環境・省エネルギー関連での新たなアプリケーション提案など、新市場での取り組みを積極的に進めていきます。