製品の品質・安全

品質

基本的な考え方

当社は、お客様に満足していただける卓越した製品とサービスを提供しています。品質管理基本方針で「ものづくり品質を極め、顧客の信頼を向上させる」ことを宣言し、その実現に向けて生産品質のみならず、ものづくりの源流にあたる設計・部品の品質確保も含めた全社活動に取り組んでいます。

品質管理基本方針

ものづくり品質を極め、顧客の信頼を向上させる

高品質な製品・サービスの提供

顧客満足の最大化のため、グループ⾏動規範に品質に関する項目を定め、製品・サービスの品質向上に努めます。国内はもとより海外においても、品質問題の発生は大きな事業リスクになりかねません。万が一製品・サービスに事故が発生した場合は、迅速に対応し、被害の拡大を防止します。また事実関係を調査・確認し、原因究明と再発防止を実施します。

アルプスアルパイングループ⾏動規範(抜粋)

1. 価値の追究〜私たちは、新たな価値の創造を追究する経営を目指します。〜
私たちは、人と地球に喜ばれ、独自性に富んだ魅⼒ある製品・サービスを提案し続けます。
また、品質と安全性を何よりも優先し、誠実に対応します。
1-1. 新たな価値創造 私たちは、失敗を恐れることなく柔軟な思考をもって技術・サービスの開拓に挑戦し続けると共に、業務の熟達に努めます。
1-2. 製品・サービスの安全性の保証、顧客保護 私たちは、製品・サービスの開発、製造、輸送、販売、保守等、全てのプロセスにおいて、安全に関する法令、基準及び社内⼿順を遵守します。また、安全性及び品質、利便性をより向上するための技術開発に努め、安全に機能し安⼼して使⽤できる製品・サービスの提供に取り組みます。
1-3. 高品質な製品・サービスの提供 私たちは、顧客満足の最大化のため、製品・サービスの品質向上に努めます。
1-4. 製品・サービス情報の的確な提供 私たちは、お客様に製品・サービスを安 全に、満足して使用いただくために、必要な情報を、正確に、適切な方法で提供します。
1-5. 問合せやアフターサービス等の誠実な対応 私たちは、お客様からの要望・相談に対し誠実に対応します。また、製品・サービスの販売後、万が一不具合が生じた場合は、返品、修理、保守などの適切な救済を受けられる仕組みを提供します。
1-6. 迅速で的確な事故対応 私たちは、万が一製品・サービスに事故が発生した場合は、迅速に事故対応し、被害の拡大を防止します。また事実関係を調査・確認し、原因究明と再発防止を⾏うと共に、社内外へ必要な情報を開示、報告します。

品質マネジメントシステム(QMS)

品質マネジメントシステム(QMS: Quality Management System)の国際規格は、全ての部門が品質保証を通じて顧客満足向上を実現していることを証明するものであり、ビジネスを行っていく上で必要不可欠なものです。
当社では、海外工場を含む生産工場において 国際規格 ISO9001認証を取得しています。また、自動車業界向けの製品を生産している工場は、国際規格 IATF16949の認証を取得・維持しています。

「初めから正しく」を徹底し、「未然防止」につなげていく

お客様に満足していただける製品をお届けするため、当社では、「初めから正しいものづくり」を目指し、新製品の企画段階から、開発・設計、生産プロセスを含めた品質保証活動を展開しています。具体的には、品質保証部門にこの活動の組織・体制を設け、各プロセスにおける品質視点でのレビュー、課題の刈り取りと対策を推進することで、未然防止につなげています。

製品設計、工程設計完成度の向上

製品設計、工程設計完成度を向上させるため、新製品の開発初期に全ての品質要件を提示することで、設計段階でモレや不整合がないか、どのように保証するかを明確にし、計画的に検証しています。お客様からの評価、各プロセスにおける検証などで検出された課題について、重要な改善のアイテムと捉え、上流工程へとフィードバックしています。
また、製品に必要な部品を供給していただいているお取引先様にも、品質を向上させる取り組みにご協力いただいています。

グローバル品質情報管理システム

グローバル品質情報管理システムは、グローバルで品質情報を共有化し、迅速な改善と横展開を行うことで不具合の封じ込め(未然防止)を図るためのシステムです。このシステムの活用により、顧客あるいは市場の品質情報をグローバルで共有化することが可能となり、迅速な原因解析と対策を実施しています。更に、一度行われた対策や改善については恒久対策化を行い、再発防止や次モデル開発の重点確認項目としています。

グローバル品質情報管理システム(GQIS)

高度な技術に裏付けされた評価技術

EMC評価センターでは、電磁波を受けた際の製品動作を評価したり、製品から発生する電磁波が基準以下のレベルであるかを評価しています。
最先端の設備と、長年培った高周波製品の評価技術・人財を活かし、ISO/IEC17025試験所認定(A2LA)や顧客認証を取得したり、新技術搭載製品の評価方法を開発し、評価結果をいち早く開発部門にフィードバックして製品の信頼性向上に貢献する等、社内外から信頼されるEMC評価を高いレベルで実現しています。

EMC

お客様からの評価

米国ゼネラルモーターズ社よりサプライヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。革新的な技術と自動車業界で最高品質の製品を提供するグローバルサプライヤーを表彰するもので、当社の受賞は11回連続(21回目)となります。
その他のお取引先様からも、品質に関する賞を複数いただいています。

お客様からの評価

機能安全

車載製品の機能安全に対する取り組み

運転支援システムや自動運転システム等の普及に伴い、車載関連製品の安全に対する要求は一層高まっています。当社はお客様に安全・安心な製品をお届けするために、自動車に特化した機能安全規格ISO26262(第2版(2018年12月発行)に対応する製品化プロセス及び体制を確立し、既に国内外の自動車メーカー向けに機能安全規格に準拠した製品開発を行っています。
また、車載製品の開発・生産に関わる全社員が、安全最優先で判断・行動すべく安全文化の醸成・定着を目指し、活動を推進しています。
車載製品の機能安全に関する活動は、マネジメントレビューとして定期的に取締役会にて包括的な振り返りを行い、年度方針と重点施策の策定、展開を通じて、継続的な改善活動を行っています。

製品サイバーセキュリティ

車載製品のサイバーセキュリティに対する取り組み

Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)といった「CASE」と呼ばれる自動車業界での変革が進む中、セキュリティに対するお客様の関心も高まっています。
当社はお客様にセキュアな製品をお届けするため、車載製品に対するサイバーセキュリティ規格ISO/SAE 21434(2021年8月発行)に準拠し活動しています。更に自社製品で発見された脆弱性に対応するため、「ALPS ALPINE-PSIRT」を組織化し運用しています。
車載製品のライフサイクルに関わる全社員は、サイバーセキュリティに対する基本方針に基づき、自分たちの役割と責任を理解し、車載サイバーセキュリティを優先したものづくりを心掛けて活動しています。
車載製品のサイバーセキュリティに関する活動は、機能安全と同様に、マネジメントレビューとして定期的に取締役会で振り返りを行い、継続的な改善活動へと繋げています。
なお、CSMSの取り組みは、情報セキュリティ基本方針に則り、活動しています。

※ PSIRT:Product Security Incident Response Team

教育・力量管理

製品サイバーセキュリティの対応力を組織に定着し向上していくために、2021年度から教育及び力量管理を開始し、力量に必要な教育を定め、基礎教育や各活動プロセスごとの専門教育を実施しています。
2022年度は、全ての力量管理対象者が必要教育を受講しています。

サイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS)組織監査

組織全体のサイバーセキュリティ活動の実行環境、運用実態及び能力の確認を目的に、CSMS組織監査を行っています。対象の部門がCSMS組織規定に則った活動を行っていることを確認するために、2022年度より組織監査を開始しました。2023年3月に外部機関による組織監査を実施し、関連する全グローバル拠点においてISO/SAE21434のマネジメントシステム規格に適合していることが認証されました。