地球との調和

環境リスクへの対策

不慮の事故や災害などによる環境汚染を始めとした環境リスクに対応するため、環境マネジメントシステムを使用した緊急事態対応の取り組みを進めています。化学物質による汚染リスクに対しては、工場ごとにリスクマップを作成して定期的に更新を行い、化学物質を取り扱う施設や作業場所、過去に発生したリスクを明確にしています。


化学物質の適正使用と排出抑制

アルプス電気では、化学物質を適正に使用するために「環境負荷物質管理基準」を定め、製品及び工程で使用する化学物質を規制しています。
VOC(※1)については、大気への排出を抑制するため、溶剤の変更や管理の強化などの取り組みを進めています。結果、2010年度までに排出量を2000年度比30%削減するという目標に対し、2007年度は72%削減できました。

(※1)VOC:Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物。常温常圧で空気中に容易に揮発する有機化合物で、塗料や部品の洗浄などに使用される。大気中に放出されると太陽光で化学変化し、有害な物質が発生するとされている。



PRTR法対象物質調査結果(対象:アルプス電気)
項目 取扱量 排出量 移動量
大気 水域 下水道 処理委託
'06 '07 '06 '07 '06 '07 '06 '07 '06 '07
無機シアン化合物 6.4 6.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.6
ニッケル 6.5 5.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.1
ニッケル化合物 5.2 4.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.8 1.0
銀及びその水溶性化合物 9.5 10.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3
鉛及びその化合物 5.5 5.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.1
エチレングリコール 4.2 1.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 4.2 1.7
キシレン 1.0 0.6 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0.5
トルエン 11.0 12.9 4.6 4.8 0.0 0.0 0.0 0.0 6.4 7.9

※データの対象範囲は国内生産子会社を含む。

※PRTR法:Pollutant Release and Transfer Register。環境への化学物質排出量を把握することで、事業者の自主的な化学物質管理を促すことを目的に1999年に制定。事業者は指定された化学物質の排出量の届出を行い、国が集計して公表する。



PRTR法対象物質調査結果(対象:アルプス電気) VOC排出量の推移


REACHへの対応

2007年6月1日に、EUの新しい化学物質規制「REACH規則」が施行されました。具体的には「EU域内にて、化学品を製造または輸入する場合に、登録、評価を義務付け、高懸念物質(※1)については、認可、さらには制限を設ける」という規則です。アルプス電気では法規制関連情報を収集するとともに、社内に専門組織を設けて対応を進めています。また、2006年度より「アーティクルマネジメント推進協議会」に参画し、国内の各業界の枠を越えたサプライチェーン全体で、製品含有化学物質情報を共有するための仕組みづくりを推進しています。アルプス電気は部品メーカーとしての観点から、ツールや仕組みの検証・提案などを行い、サプライチェーン全体の発展に貢献しています。


(※1)高懸念物質:発がん性物質や、高蓄積性物質など、人体に有害とされている物質。EU化学品庁が定める。



製造工程での化学物質削減に取り組んでいます

Šarkáa Hovorkováa

アルプス・チェコ
品質保証部

Šárka Hovorková
シャルカ ホヴォルコヴァー

アルプス・チェコでは、製品含有化学物質規制であるRoHS指令について、お客様やアルプスグループが定めた基準に従い製造してきました。 加えて、現在は新たに制定されたEUの化学物質規制であるREACH規則についても対応を始めるため、2007年度末から、製品の製造工程で何種類の化学物質を使用しているのか調査を開始しています。調査と並行して削減活動にも取り組んでおり、はんだ槽で使用するフラックスや、印刷で用いる洗浄用溶剤などの削減を推進しています。



環境リスク対策

ダミー

長岡工場(新潟県)にて、重油が漏洩したケースを
想定し、対応手順・対策キットの作業性などを検証

アルプス電気では、不慮の事故や災害による環境汚染リスクを事前に抑制するために、各種対策を講じています。

一つは、工場ごとの「環境リスクマップ」作成と定期的な更新。環境リスクマップとは、工場の図面上に化学物質や廃棄物を扱う場所を明示したもの。事故が起こりやすい場所を可視化し、過去に発生したリスクも明示し共有することで、環境リスクの低減につなげています。もう一つは設備面の強化。地下埋設配管の地上化や、配管の二重化、タンクローリー停車場所の防液堤設置、漏洩センサの設置などの対策を実施し、リスクの低減に努めています。また、 万が一の場合に備えて「緊急事態対応計画」を作成し、計画に基づく訓練を定期的に行っています。


新潟工場での廃液漏れ事故について

2007年12月30日に、磁気デバイス事業部長岡工場において廃液タンク洗浄中に引き抜いた廃液が漏洩し、河川に流出する事故が発生しました。ただちに行政に通報し、排水溝を遮断するとともに廃液の回収を行いましたが、推定で170リットルの廃液が河川に流出しました。ただし廃液に含まれる有害物質の濃度は環境基準以下だったので、環境への影響は大きくないと考えています。今後このような事故が発生しないように、作業手順書の改訂や作業者への教育など再発防止策を実施していきます。


土壌・地下水の浄化
涌谷工場(宮城県)で使用している、地下水に栄養剤を注入するための装置

涌谷工場(宮城県)で使用している、
地下水に栄養剤を注入するための装置

1999年、国内4工場にて有機塩素系化合物による土壌・地下水汚染が判明しました。より効率的に浄化を進めるために、2003年度からは従来の手法に変えて「嫌気性バイオ法」を用いて、継続的に浄化を実施しています。「嫌気性バイオ法」とは栄養剤を地下水に直接注入し、敷地内に生息する微生物を培養することで、汚染物質の分解を促進させるという手法です。この導入によって汚染物質の濃度は順調に低下し、現在では一部の事業所を残し、浄化作業が終了しています。この件を行政に報告するとともに、浄化後の確認のためのモニタリングを行っています。




工業排水の徹底管理、有効活用を推進しています

賈 同晶

大連アルプス
第3製造部

賈 同晶

大連アルプスではめっき処理などを行っているため、化学物質の管理を徹底しています。最も注意しているのは排水処理です。有害物質を工場 外に漏らさないために、独自の排水処理装置を導入しています。排水を海に流す時は、使用したニッケルや銀などの金属濃度を測定し、必ず厳しい法定基準をクリアした状態で放流しています。また排水の一部は回収し、工場内のトイレ用水や、植物への散水用として再利用しています。今後も「宇宙船地球号」の一員として、設備・施策の改善を推進していきます。



各拠点での取り組み
地上に設置された重油タンク

地上に設置された重油タンク

通信デバイス事業部 相馬工場

2001年度より地下重油タンクの地上化を進め、2006年度には全ての地下タンクを廃止しました。重油タンクを地上化することにより、タンクから漏洩した油が土壌や地下水を汚染するリスクを低減することができました。

生活排水の浄化システム

生活排水の浄化システム

大連アルプス

めっき工程からの排水は適正に処理を行い放流しており、基準を満たさない場合は設備が自動停止し外部に流出しない仕組みになっています。また、生活排水は汚水処理施設で処理され、トイレや植栽用などに再利用されています。



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