公正な経営

 アルプス電気グループは、現代社会の一員として公正な経営を実現・実行していくための基盤の強化を目的に、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメント、情報セキュリティについて積極的な取り組みを行っています。

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの考え方

 アルプスグループでは、コーポレート・ガバナンスの定義を、「企業価値を増大するため、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行、並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告、及び健全かつ効率的で透明性のある経営を実現する仕組みの構築・運用」としています。株主をはじめ、すべてのステークホルダーの利益最大化が重要と考え、企業価値の最大化を図り、かつステークホルダー間の利益をバランスよく満たし、その利益を直接、間接的に還元することを基本としています。
 また当社は、株主、顧客、地域社会ならびに従業員等のステークホルダーに対する責任を果たすとともに、企業として実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現するために「アルプス電気株式会社 コーポレートガバナンス・ポリシー」を制定し、当社ホームページにて公開しています。
 (http://www.alps.com/j/ir/ir_governance.html)

コーポレート・ガバナンス体制

 アルプス電気は、2016年6月23日第83回定時株主総会をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。業務執行者から独立した監査等委員会が、会計監査人や内部監査部門との緊密な連携の下、監査・監督機能を強化することで、一層のコーポレート・ガバナンスの強化と公正で透明性の高い経営の実現を図ります。

アルプス電気 コーポレート・ガバナンス体制図

 

取締役会

 アルプス電気の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)12名、及び監査等委員である取締役5名(うち社外取締役3名)で構成され、経営の基本方針や中短期経営計画を含む経営に関する重要事項を審議・決定するとともに、職務執行状況の監査・監督を行う機関と位置付けています。取締役会は月1回の定例開催に加え、必要に応じて臨時開催を行い、重要事項を全て付議し、充分な討議を経た上で決議を行っています。
 また、取締役会の運営については、取締役会規則・細則に基づき、決議事項については法務、会計、税務及び経済合理性などについて事前確認を行い、取締役会決議の適法性及び合理性を確保しています。さらに、「取締役会上程の手引き」を作成し、議案書の様式標準化や審議ポイントを明確にし、取締役会で合理的かつ効率的な議論が行えるよう努めています。

取締役会実効性評価
 アルプス電気は、業務執行の健全性と透明性及び効率性と機動性の向上を目的にコーポレート・ガバナンス体制の強化を図っております。その一環として、2016年度より取締役会の実効性評価を実施しており、評価結果の概要は以下の通りです。

  1. 分析・評価の方法
     取締役会の実効性評価にあたり、全取締役17名に対し取締役会の構成、運営、審議内容、取締役間のコミュニケーション、支援体制等について設問票による記名式アンケートを行い、各々の所感を含む自己評価を実施しました。そして、これらを社外取締役を含む監査等委員会及び管理担当・経営企画担当各取締役が分析、課題整理を行った後、取締役会において報告を行い、検証及び議論を行いました。
  2. 分析・評価結果の概要
     結果として、昨年6月以降の現体制における取締役会では、議論、審議、運営が適切に行われていることが確認され、大きな問題点は見当たらず、実効性が確保されていることが検証出来ました。
     一方、各員の率直な意見を求めたことから、女性・若手・事業経営経験者の取締役への積極的な登用や、一層の効果的な取締役会の審議の為の資料提出の早期化や効率的な報告の実施、監査等委員と執行系取締役間の交流機会の更なる充実、増大するリスクへの認識共有と管理強化、当評価の実施方法等について建設的な意見が寄せられました。
  3. 今後の対応等
     今後、これらの意見に基き、短期あるいは中長期的な検討を行っていくと共に、当評価を実施したことで、取締役の見解・意識の共通する部分がより明確となったことから、これらを共有化することで更に一体感のある経営姿勢を育み、当社のガバナンス並びに企業価値の向上に活かす為、来年度以降も当評価を継続して行っていきます。

監査等委員会

 アルプス電気の監査等委員会は、社外監査等委員が3名、社内監査等委員2名で構成され、社外が過半数を占める体制により、業務執行者から独立した客観的な立場から適切な判断をするように努めています。また、社内の重要な会議に出席すると共に、重要な情報の収集及び報告の受領等を日常的に行う為、常勤の監査等委員を選定しています。そして、法律の専門家である弁護士ならびに会計の専門家である公認会計士として豊富な経験を持った社外監査等委員と、当社の事業に精通した常勤を含む社内監査等委員が高い実効性を持って監査を行うとともに、内部監査部門と連携を図り、取締役会やその他の重要な会議の場において、経営陣に対して意見を述べています。さらに、監査等委員会の職務の補助者を置くこととし、当該業務を担う使用人については取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性を確保します。

社外取締役

 アルプス電気は、取締役会の監督機能強化のため、監査等委員である社外取締役を3名選任しています。この3名と当社との間には人的関係、資本的関係又は一般株主と利益相反が生じるおそれのある取引関係その他の利害関係はありません。社外取締役は、経営の適法性の確保に注力するとともに、全てのステークホルダーを念頭に置き、取締役会で積極的な意見交換や助言を行い、経営陣の選解任及び報酬の決定や会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反の監督及びその他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営監督の強化に努めています。また、定期的に当社拠点を訪問し、情報収集を行うとともに、他の取締役、従業員と情報・意見交換を行い、実効性のある監督に努めています。なお、社外取締役の選任については、当社の定める独立性基準を含む取締役候補者の選任基準に基づき判断しており、また、各氏の同意を得た上で独立役員として指定し、株式会社東京証券取引所に独立役員として届出ています。

氏名 選任の理由 重要な兼職の状況 2016年度活動状況
取締役会 監査等委員会 監査役会
飯田 隆 弁護士として法曹界における豊富な経験と実績をもとに当社の経営について的確な指導や助言をいただくため 株式会社島津製作所社外監査役
日本電信電話株式会社社外監査役
12回中12回参加 10回中10回参加 -
秋山 洋 弁護士として培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を当社の経営に反映していただくため YKK株式会社社外監査役 12回中11回参加 10回中10回参加 1回中1回参加
國吉 卓司 会計事務所における長年の国際経験と公認会計士として培われた幅広い知識を当社の経営に反映していただくため 12回中12回参加 10回中10回参加 1回中1回参加

役員報酬の仕組み

 アルプス電気では、短期及び中長期の業績との連動性を重視した報酬体系により、役員の企業業績及び株価向上へ向けた行動を最大限に促進し、グループ全体の永続的な企業価値の向上を図ります。

報酬の構成等

a)監査等委員以外の社内取締役の報酬
 ・当社では、固定報酬、業績連動賞与、株式報酬型ストック・オプションで、監査等委員以外の
  社内取締役の報酬を構成しています。
 ・業績連動賞与は、単年度の業績(営業利益、当期純利益等)に応じて変動する仕組みとして
  います。
 ・株式報酬型ストック・オプションは、中長期の業績と連動する報酬として、役位別に定める
  ストック・オプション報酬額に応じて、付与時の価値から算出した株数の株式報酬型ストック・
  オプションを付与しています。これは、実質的な自社株の支給と同等の効果があるストック・
  オプションで、当社株式の株価上昇によるメリットのみならず、株価下落によるリスクまでも
  株主と共有する仕組みです。
b)監査等委員である取締役の報酬
 ・当社では、監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみです。

なお、取締役および監査役の報酬等の総額は、当社ホームページの「第84期定時株主総会招集
ご通知」をご参照下さい。
http://www.alps.com/j/ir/ir_meeting.html

内部統制

 当社は、創業の精神(社訓)をグループ経営の原点と位置づけ、アルプスグループ経営規範の下、当社のコンプライアンスについての基本理念と行動指針を定めて当社及び上場子会社を含む当社グループに展開します。また、当社及び当社グループ全体の業務を適正かつ効率的に遂行するため、会社法及び会社法施行規則に基づく内部統制システム体制(業務の適正を確保するための体制)の整備を行っています。なお、内部統制システムに係る具体的な体制につきましては、当社コーポレート・ガバナンス報告書の「内部統制システム等に関する事項」をご参照下さい。
http://www.alps.com/j/ir/ir_governance.html

アルプスグループ内部統制模式図

アルプスグループ内部統制模式図

 

社外取締役メッセージ

ガバナンスのさらなる充実に向けて

当社の監査等委員並びに社外取締役である國吉卓司氏にアルプス電気のコーポレート・ガバナンスについてお聞きしました。


社外取締役メッセージ 國吉 卓司

取締役
監査等委員(社外)

國吉 卓司

社外取締役、監査等委員就任から一年

 当社が監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行して一年が経過しました。私自身、監査役から取締役 監査等委員に変わり、接点を持つ社内の方も取締役を中心としたマネジメント層から部課長クラスにまで拡大し、会社全体の理解もより一層深まってきています。
 一方、ガバナンスが何であるかについても常日頃模索しています。ガバナンスはマニュアルを重視しすぎると、形式的なものになる危険性があります。そうならないためにも、私が注目しているのが、取締役会の実効性評価と内部監査部門によるリスクアプローチを用いた内部監査の体系化の試み、そしてリスクマネジメントの充実です。これからも社外取締役として経営に積極的に関与し、アルプスグループにおける仕組みの定着や改善の取り組みが着実に進捗しているか、注視していきます。

アルプス電気のガバナンスを支える企業文化

 当社には、ガバナンスを支えているものが三つあると考えています。一つ目は、町工場の持つワイワイガヤガヤとした元気さ・活発さです。当社はこの雪谷の地で、故片岡勝太郎氏により創業され、小さな町工場としてスタートしましたが、今も当時と変わらぬ元気さ・活発さが息づいています。二つ目は、「リスペクト」の心です。株主総会では経営陣が、株主の質問にできる限り自分の言葉で丁寧に答えようと努力しています。また、協力工場・サプライヤー、海外進出国や地域・コミュニティーをリスペクトする姿勢が随所に見受けられます。三つ目は、素朴で粘り強い企業体質です。当社は東北地方に工場を多数持っており、2011年の東日本大震災で少なからず被害を受けました。しかし、全社一丸となり昼夜問わず工場の再稼働に取り組み、お客様にご迷惑をおかけすることなく、早期の事業再開を実現しました。長年当地での事業活動に携わることで、自然と素朴さ・粘り強さが培われたのだと思います。
 言い換えれば、このような文化・精神を社内で共有できなくなった時が、当社のガバナンスの危機であると考えています。ガバナンスが人によって運用される壊れやすいものという認識と、それを補完するための謙虚で健全な企業文化・精神の継承が重要だと考えます。

社外取締役、監査等委員としての役割

 当社は二つの性格を併せ持っています。一つは、利益を追求する私企業の側面です。それは売上を伸ばし、投下した資本を回収した余剰を将来の投資に回し、適正配当を果たす役割です。そこでは、企業の持続的成長が求められます。経済がグローバル化する中、当社が顧客の要請に応えるためには、メイドインマーケットを掲げた海外展開が必須となり、進出各国での遵法、会計や移転価格税制対応等が重要となります。これらに対して、私は海外での公認会計士の経験を活かし、目配りしていきたいと考えています。
 もう一つは、株主、顧客、サプライヤー、従業員、政府等、様々なステークホルダーを構成員とする社会的制度としての側面です。ステークホルダーとの信頼関係を築くには、企業のディスクロージャー(情報開示)の充実が重要です。現在、企業のディスクロージャーの意義が、経営陣と株主をはじめとするステークホルダーとの間の「情報の非対称性」の緩和の視点から見直されています。アニュアルレポートや統合報告書は、ガバナンスの一環としてこの情報の非対称性の解消の役割を担っています。社外取締役として、適切かつタイムリーな情報開示を進めるべく、株主等のステークホルダーの付託に応えていく所存です。