お客様との関わり

研究開発

 現在、地球環境の変化、新興国の急速な成長をはじめとした世界経済の変動の中、車の自動運転技術やIoT等に代表される電子化技術は急速な進化をしています。アルプスアルパイングループ(電子部品事業)では、こうした事業環境の変化に対応しつつ、培ってきた技術の進化と融合により社会的に意義のある高付加価値の製品創出にむけた研究・開発を持続的に行っています。

体制

顧客・市場ニーズへの対応

 私たちは、基礎技術・先端技術の開発は日本で行い、顧客や市場のニーズに合わせた製品バラエティの設計は現地で開発する体制を採っています。これにより技術・製品の共通化・標準化をグローバルに推し進めています。
 また、国内外の大学や研究機関との共同研究や、他社との協業による開発、またグループ内の電子部品事業と車載情報機器事業との協創による開発にも積極的に取り組んでいます。

戦略

研究開発費(電子部品事業)

 私たちは、長年培ったメカトロニクス技術・プロセス技術・材料技術・各種設計技術を深化させ、これらを融合するイノベーションを継続し、「市場・顧客ニーズに合致」した新規事業・製品の創出で他社との差別化を図り、優位性を確保します。
 コア技術をベースに新しい機能追加を継続し、同時に「環境」にも配慮した新たなビジネス分野への展開を図る「しみだし」と、容易に真似されることのない「技術のビジネスブラックボックス化」による製品開発を重視しています。
 これらを基本に私たちは、「HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の深化」・「センサバラエティの拡大」・「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を成長エンジンとして注力し、EHII*ビジネスの確立・車載デバイスビジネスの拡大を図ることで、これからの社会が求める人にも地球環境にもやさしい豊かな暮らしの実現に貢献できる製品開発を行っています。

* EHII : Energy, Healthcare, Industry, IoT

「しみだし」
「しみだし」とは、製品や技術の連続性を維持しながら、新しい機能や技術を付加することで、徐々に染み出すように事業領域を拡大させていくことです。また、この「しみだし」は、技術開発に留まらず、所有する設備や培った製造手法の連続性も意図するところです。
アルプス電気は、「しみだし」によって、新製品の開発や新たな事業領域への参入による売上拡大と、効率的な投資やコスト競争力の優位性向上を図っています。

グローバル開発体制

グローバルでの開発

アライアンス活動

 当社グループにない新技術は、外部からの技術の導入により開発のスピードアップを図り、市場・社会ニーズに対応した製品をいち早く顧客に届けられるよう、各分野での協業を積極的に進めていきます。

「コア技術の強化を目的としたオープンイノベーションを推進」

 2017年3月に東北大学とアルプスアルパインは、先端技術新事業の創出とイノベーションを担う人財育成を図り、電子部品産業の振興と社会発展への寄与を目的とした「組織的連携協力協定」を締結しました。
 この協定に基づき、2017年12月に東北大学キャンパス内に連携拠点を開設。具体的な共同研究テーマを設定し、連携活動を推進しています。特に、注力する3つの技術領域の一つであるHMI分野において、「真に心地良い」と感じられる操作デバイスの実現に向け、新たに複数の研究室との共同研究・技術開発を開始しました。
 更に、当社は、東北大学が中核機関として参画する文部科学省事業「革新的イノベーション創出プログラム(COISTREAM)」の研究プロジェクトの一つである「さりげないセンシングと日常人間ドックで実現する理想自己と家族の絆が導くモチベーション向上社会創生拠点」にも参画。このプロジェクトで、私たちは、人の動きや取り巻く環境変化から健康状態を把握する研究の社会実装のため、センサ製品やセンシング技術を提供しています。
 また、アルプス電気は、岩手大学とも「研究連携の推進に関する協定」を締結しています。プリンタの熱伝導制御や異種材料接合などの共同研究を進めると共に、SIP(StrategicInnovation Program:戦略的イノベーション創造プログラム)にも参画しています。
 アルプス電気は、そのほか数多くの大学、研究機関との共同研究を推進し、当社のコア技術の更なる強化を図っています。

ビジョン共創型産学パートナーシップ」イメージ図

将来の成長エンジンの開発に向けての取り組み

コア技術の強化

 私たちは、独自のコア技術に磨きをかけ、深化させることが製品の競争力強化にとって最も重要と考えています。当社グループはコア技術として、各種設計技術(機構設計・ソフトウェア・IC・高周波・光学・静電)、評価・シミュレーション技術、材料技術に加え、製品を生産するためのプロセス技術(精密加工・微細印刷・MEMS・精密金型・自動組立)を有し、これらのコア技術の深耕を進めることによる「しみだし」と、コア技術と新しい技術との融合により、他の追随を許さない競争力のある製品を継続的に生み出しています。

コア技術の融合により注力する技術分野

HMI

 HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)とは「人と機器をつなぐもの」を意味し、当社が創業時から追究し続けている分野です。さまざまな入出力関連の電子部品の開発を通した豊富なノウハウを基に、タクトスイッチ®やグライドポイント™などを生み出してきました。私たちは人にとって使いやすく、感触の良い製品を開発するために新たな材料開発や精密加工技術などの独自技術を追究し続けています。
 スイッチ、タクトスイッチ®、可変抵抗器などのヒストリカルな製品群はこれらの独自技術をベースとして幅広い電子機器に搭載されています。
 近年は操作デバイスのタッチ化とその進化が顕著であり、私たちは静電容量検出技術を応用し、タッチパネルの曲面化やより感度をアップした製品の開発を進めています。

センシング

 このセンサ分野において私たちは、磁気・地磁気・湿度・気圧・圧力・光・電流等の各種物理量を検出する技術をこれまでに開発してきました。これらのセンサ技術を生かすことで、微細な信号変化の検知を可能とし、電子機器にとって最適な信号のフィードバックを行う各種センサ製品を開発することにより、さまざまな電子機器のニーズに応えています。
 また、これらセンサ製品のモジュール化・システム化と共にIoTを活用することで、電力制御や医療・ヘルスケアなどの新しい社会インフラへの展開も進めています。

コネクティビティ

 コネクティビティは、機器と機器、情報と情報の的確な接続を実現する分野であり、私たちはそのベースとなる高周波技術を、放送・通信ビジネスを通して長年培ってきました。
 昨今安全・安心の交通社会に向けて自動車における車内でのスマートフォンとの連携や、路車間・車車間の情報通信が急速に進展しています。
 また、スマートシティなど新しい省エネルギー社会の実現に対しても、コネクティビティ技術へのニーズの高まりが顕著になってきています。
 これらの市場ニーズに対して、Bluetooth®、W-LAN、LTEなどに対応した高周波技術を追究しています。

注力する市場への対応状況

車載モジュール

主要製品

主要製品

 ADAS(先進運転支援システム)や自動運転機能を搭載した車が登場し、コクピット周辺機器のインテリジェント化が活発化しています。電子シフター、センターコンソールやハンドル周りの各操作入力機器など、快適な操作性を追求したモジュールを開発、提供しています。



車載デバイス

主要製品

主要製品

 ADASや自動運転に必要なW-LAN、LTE 等の通信用高周波製品、カーナビゲーションや室内ランプに使用される入力操作デバイス、ドアやシートベルト、スロットル等の動作検知を行う各種センサ等の提供を通じて、車やオートバイの安全性、快適性、省エネ化に貢献します。



モバイル/ゲーム/デジタル機器

主要製品

主要製品

 デジタル機器は、更なる多機能化、高機能化が進んでいます。アルプス電気は、精密かつロバスト性*1 の高い各種デバイスの提供はもとより、フォースフィードバック技術の活用など独自性に富んだ電子部品の開発を行っています。




EHII EHII:Energy、Healthcare、Industry、IoT(Internet of Things)

主要製品

主要製品

 近未来における気候変動、健康管理、生産性の向上など、多くの課題が指摘されています。私たちは、これまでに開発してきた材料や製品・技術を応用することで、近未来の課題解決につながる製品の創出に取り組んでいます。




美しい電子部品

 アルプスアルパインが追究する「美しい電子部品」とは、Right、Unique、Green のバランスが備わった電子部品であることを指しています。これからも美しい電子部品を通してお客様に新たな価値を提供することで、豊かで便利、安全な暮らしの実現に貢献していきます。

美しい電子部品の条件


事例紹介1:ハプティック® リアクタ

主要製品

 ハプティック® リアクタは、ゲーム機やVR(VirtualReality)/ AR(Augmented Reality)デバイス等に使用される代表的な小型振動デバイスです。このデバイスは、様々な振動を発生させることができ、入力操作や操作シーンなどに合わせ、「振動」を通して操作状況をユーザーの触覚にフィードバックさせることができる電子部品です。画面上のボタンを押すなど単純な入力操作の操作フィードバック機能としてだけではなく、音楽やスポーツなどシーンに合わせて多彩な振動を伝えることで、ユーザーにより臨場感のある感触を与えることができます。

Right 小型でありながら、強い振動力

 ハンディタイプの電子機器に使用される電子部品は、小型であることが求められます。一方で、振動デバイスは、ユーザーがしっかり認識できる振動を発生させるために、デバイス自体に相応な大きさが必要となります。この相反する条件を同時に満たすために、アルプスアルパインはメカトロニクス設計を駆使し、電磁駆動の共振型振動として、小型で、かつ最大限の振動を生み出す電子部品ハプティック® リアクタを開発しました。

Unique 多彩な振動を生み出すデバイス

 ハプティック® リアクタの特長の一つとして、多彩な振動を一つのデバイスで生み出すことができることが挙げられます。アルプスアルパインが長年培ってきたメカトロニクス設計技術と、独自のバネ構造設計により、特定の周波数を入力することで大きな振動を生み出すことのできる「共振周波数」を複数持つ振動デバイスを実現しました。これにより、重量感ある振動から軽いフィーリングの振動まで豊かに再現させることが可能となりました。

Green 消費電力

 ハンディタイプの電子機器では、低消費電力であることが求められます。ハプティック® リアクタは共振現象を利用した駆動原理により、より少ない消費電力で大きな振動を生み出すことができ、省エネ化に貢献しています。

事例紹介2:車載用電流センサ

主要製品

 車載用電流センサは、EV(電気自動車)やハイブリッド車に使用される電子部品で、その心臓部である駆動部に搭載されます。EVは、モーターによって走ります。そのモーターを動かすための電気を直流から交流に変換するインバータ部などで電流値を検知するために使われるのが車載用電流センサです。

Right 小型かつ軽量

 車載用部品に求められる条件の一つに、「小型化、軽量化」が挙げられます。車という限られたスペースに搭載するには小さいこと、限られた電気で長く走るにはできるだけ車体を軽くすることが求められるためです。また過酷な環境で用いられる車載用途において、軽量化は振動に対しても優位性を発揮します。アルプスアルパインは、他の電流センサで用いられるコアと呼ばれる部品を省くことに成功し、車に適した小型かつ軽量、高信頼性の電流センサを実現しています。

Unique 独自の高感度磁気素子

 コア部品なしの電流センサを実現できたのは、独自に開発した高感度磁気素子の活用にあります。その素子技術は、かつてのHDD用磁気ヘッドの開発で培われ、「しみだし」の考え方の下、電流センサという新しい製品の誕生につながりました。

Green CO2排出量削減と省資源

 電流センサは、ガソリン車に比べ、CO2 排出量の少ないハイブリッド車やCO2を排出しないEVに搭載される電子部品であり、CO2排出量削減の一端を担っているとも言えます。また、コアが使われないこと、小型化によりパッケージング材も少なくて済むことから、省資源にも貢献している製品です。