公正な経営

 アルプスアルパインは、現代社会の一員として公正な経営を実現・実行していくための基盤の強化を目的に、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメント、情報セキュリティについて積極的な取り組みを行っています。

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの考え方

 アルプスアルパイングループでは、コーポレート・ガバナンスの定義を、「企業価値を増大するため、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行、並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告、及び健全かつ効率的で透明性のある経営を実現する仕組みの構築・運用」としています。株主をはじめ、全てのステークホルダーの利益最大化が重要と考え、企業価値の最大化を図り、かつステークホルダー間の利益をバランス良く満たし、その利益を直接、間接的に還元することを基本としています。
 また、アルプスアルパインでは、株主、顧客、地域社会及び従業員等のステークホルダーに対する責任を果たすと共に、企業として実効性のあるコーポレート・ガバナンスを実現するために「アルプスアルパイン株式会社 コーポレートガバナンス・ポリシー」を制定し、当社ウェブサイトにて公開しています。
 (http://www.alps.com/j/ir/ir_governance.html)

コーポレート・ガバナンス体制

 アルプスアルパインは、会社法上の機関設計として監査等委員会設置会社制度を採用しています。業務執行者から独立した監査監査・監督機能を強化することで、一層のコーポレート・ガバナンスの強化と公正で透明性の高い経営の実現を図ります。

アルプスアルパイン コーポレート・ガバナンス体制図

 

取締役会

 アルプスアルパイン(株)の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名(うち社外取締役1名)及び監査等委員である取締役6名(うち社外取締役4名)で構成され、経営の基本方針や中短期経営計画を含む経営に関する重要事項を審議・決定すると共に、職務執行状況の監査・監督を行う機関と位置付けています。2018年6月からは、ジェンダー・ダイバーシティにも対応して女性取締役を、また、事業経営経験者を選任し、多様性と事業性を備えた実効性を確保しています。
 取締役会は月1回の定例開催に加え、必要に応じて臨時開催し、重要事項を全て付議して十分な討議を経た上で決議を行います。決議事項については、取締役会規則・細則に基づき、法務、会計、税務及び経済合理性などについて事前確認を行い、取締役会決議の適法性及び合理性を担保します。
 また、当社では、会社方針・大綱に基づき中短期の経営計画を作成し、取締役が出席する経営計画会議を年2回開催し、経営計画に関する審議と情報の共有化を図った後、取締役会の審議・決議を行う体制にしています。これに従い、月次単位の業務遂行の進捗管理を行い、経営資源の最適活用を図るため、重要事項については取締役会規則・細則に基づき取締役会に付議した上で、業務執行を行っています。
 当社では、これまで、2013年に社外取締役を導入以降、監査等委員会設置会社への移行やコーポレートガバナンス・ポリシーの制定、取締役報酬制度の改定、取締役会実効性評価の実施など、コーポレート・ガバナンスの改革を進めてきました。アルプスアルパイン(株)では、100年に一度といわれる自動車の技術革新などこれまでにない急激な環境変化に対応し、経営の機動性を更に高めるため、経営監督と業務執行を分離し、執行役員制度を導入します。また、取締役数をアルプス電気(株)時の17名から12名(うち監査等委員である取締役は6名)に変更し、モニタリングを主軸とする取締役会にシフトすると共に、社外取締役をアルプス電気(株)時の3名から5名に増員し(うち女性取締役2名)、社外取締役比率を1/3以上とすることで、より株主利益確保のために独立した客観的な視点を増やし、新しいコーポレート・ガバナンス体制に取り組んでいきます。
 なお、アルプス電気(株)の2017年度における取締役会の各取締役の出席状況は以下の通りです。

取締役出席回数/開催回数取締役出席回数/開催回数取締役出席回数/開催回数
栗山 年弘12回/12回枝川 仁士12回/12回髙村 秀二12回/12回
木本 隆12回/12回大王丸 健12回/12回藤井 康裕12回/12回
笹尾 泰夫12回/12回岡安 明彦12回/12回飯田 隆12回/12回
天岸 義忠12回/12回佐伯 哲博12回/12回秋山 洋12回/12回
片岡 政隆11回/12回氣賀 洋一郎12回/12回國吉 卓司12回/12回
梅原 潤一11回/12回佐藤 浩行12回/12回

取締役会の実効性評価
 アルプスアルパインは、株主、顧客、従業員並びに地域社会等のステークホルダーに対する責任を果たすと共に、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目的とした、実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現するため、コーポレートガバナンス・ポリシーを定めています。それに基づき、取締役会の機能の一層の向上を図ることを目的に、取締役会実効性評価の実施を取締役会規則に規定し、毎年実施しています。なお、2017年度のアルプス電気(株)取締役会実効性評価の結果の概要は以下の通りです。

  1. 分析・評価の方法
     取締役会メンバーに対し、取締役会の構成、運営、審議内容、取締役間のコミュニケーション、支援体制等について設問票による記名式アンケートを行い、各々の所感を含む自己評価を実施しました。そして、これらを社外取締役を含む監査等委員会及び管理担当・ 経営企画担当各取締役が分析、課題整理を行った後、取締役会において報告を行い、検証及び議論を行いました。
  2. 分析・評価結果の概要
     結果として、2017年度は、議論、審議、運営が適切かつ合理的に行われていることが確認され、実効性が確保されていることが検証できました。一方、取締役会の規模 ・ 構成や、審議資料の事前確認、事業のリスク及びヘッジ策の議論の充実、監査等委員と執行系取締役間の更なる交流などについて、具体的な意見・提案が寄せられました。
  3. 今後の対応等
     上記結果を踏まえて、2019年に予定しているアルパイン(株)との経営統合に向けて検討を行っていくと共に、今回提案された取締役の見解・評価を共有化することで更に一体感のある経営姿勢を育み、当社のガバナンス並びに企業価値の向上に活かしていきます。

監査等委員会

 アルプスアルパインの監査等委員会は、社外監査等委員が2/3を占める体制により、業務執行者から独立した客観的な立場から適切な判断をするように努めます。また、社内の重要な会議に出席すると共に、重要な情報の収集及び報告の受領等を日常的に行うため、常勤の監査等委員を選定しています。そして、事業経営経験者や法律の専門家である弁護士並びに会計の専門家である公認会計士として豊富な経験を持った社外監査等委員と、当社の事業に精通した社内監査等委員が高い実効性を持って監査を行うと共に、内部監査部門と連携を図り、取締役会やその他の重要な会議の場において、経営陣に対して意見を述べるよう努めます。更に、監査等委員会の職務の補助者を置くこととし、当該業務を担う使用人については取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性を確保します。なお、当社は、会社法第427条第1 項の規定に基づき、監査等委員5名と会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令が定める最低責任限度額としています。
 なお、アルプス電気(株)の2017年度における監査等委員の監査等委員会の出席状況は以下の通りです。

監査等委員出席回数/開催回数監査等委員出席回数/開催回数監査等委員出席回数/開催回数
髙村 秀二13回/13回藤井 康裕13回/13回飯田 隆13回/13回
秋山 洋13回/13回國吉 卓司13回/13回

社外取締役

 アルプスアルパインは、客観的な立場から事業経営、法律、会計の専門家として豊富な経験や幅広い見識に基づき、当社経営に対する助言をいただき、監督していただくため、社外取締役を選任しています。社外取締役は、経営の適法性の確保に注力すると共に、全てのステークホルダーを念頭に置き、取締役会で積極的な意見交換や助言を行い、経営陣の選解任及び報酬の決定や会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反の監督及びその他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営監督の強化に努めています。また、定期的に当社拠点を訪問し、情報収集を行うと共に、他の取締役や従業員と情報・意見交換を行い、実効性のある監督に努めています。なお、社外取締役の選任については、当社の定める独立性基準を含む取締役候補者の選任基準に基づき判断しており、各氏の同意を得た上で独立役員として指定し、(株)東京証券取引所に独立役員として届け出ています。

社外取締役の選任理由
氏名 選任の理由 重要な兼職の状況
飯田 隆 弁護士として法曹界における豊富な経験と実績を基に当社の経営について的確な指導や助言をいただくため (株)島津製作所社外監査役
日本電信電話(株)社外監査役
中矢 一也 長年にわたり企業実務経験者として培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を当社の経営に反映していただくため
東葭 葉子 会計事務所における長年の会計監査経験と公認会計士として培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を当社の経営に反映していただくため
木下 聡 国内外のグループ会社経営で培われた豊富な経験と幅広い知見を有しており、経営統合後の当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する適切な人材と判断したため
長谷川 聡子 長年にわたり弁護士として法律実務に携わり、専門的な知識に加え幅広い見識を有しており、経営統合後の当社が引き続き健全な発展と成長を目指すに当たり、当社の経営監督を行う適切な人材と判断したため 白銅(株)社外取締役監査等委員

役員報酬の仕組み

 アルプスアルパインでは、短期及び中長期の業績との連動性を重視した報酬体系により、役員の企業業績及び株価向上に向けた行動を最大限に促進し、グループ全体の永続的な企業価値の向上を図ります。具体的には、以下のような報酬の構成としています。

報酬決定の方針

a)監査等委員以外の社内取締役の報酬
  当社では、固定報酬、業績連動賞与、株式報酬型ストック・オプションで、監査等委員以外の
  社内取締役の報酬を構成しています。
  業績連動賞与は、単年度の業績(営業利益、当期純利益等)に応じて変動する仕組みとして
  います。
  株式報酬型ストック・オプションは、中長期の業績と連動する報酬として、役位別に定める
  ストック・オプション報酬額に応じて、付与時の価値から算出した株数の株式報酬型ストック・
  オプションを付与しています。
  これは、実質的な自社株の支給と同等の効果があるストック・オプションで、当社株式の
  株価上昇によるメリットのみならず、株価下落によるリスクまでも株主と共有する仕組みです。

b)監査等委員である取締役の報酬
  当社では、監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみです。

なお、取締役および監査役の報酬等の総額は、当社ホームページの「第85期定時株主総会招集
ご通知」をご参照下さい。
http://www.alps.com/j/ir/ir_meeting.html

報酬決定の手続き

 当社では、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で、取締役(監査等委員である取締役を除く。)は取締役会で、監査等委員である取締役は監査等委員会で報酬を決定しています。 
 アルプス電気(株)における2017年度の取締役の報酬等の内容は以下の通りです。

アルプス電気(株)における2017年度の役員報酬

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる役員の員数
(人)
基本報酬 賞与 ストック・
オプション
取締役(監査等委員を除く。) 525 316 157 51 12
(うち社外取締役) (-) (-) (-) (-) (-)
取締役(監査等委員) 62 62 5
(うち社外取締役) (28) (28) (-) (-) (3)
合計 588 378 157 51 17
(うち社外取締役) (28) (28) (-) (-) (3)
1. 取締役(監査等委員を除く。)の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
2. 2017年度末日における取締役(監査等委員を除く。)は12名、取締役(監査等委員)5名(うち社外取締役3名)です。

内部統制

 アルプスアルパインは、創業の精神(社訓)をグループ経営の原点と位置付け、アルプスアルパイングループ経営規範の下、当社のコンプライアンスについての基本理念と行動指針を定めて当社及び上場子会社を含むグループに展開しています。また、当社及びアルプスアルパイングループ全体の業務を適正かつ効率的に遂行するため、会社法及び会社法施行規則に基づく内部統制システム体制(業務の適正を確保するための体制)の整備を行っています。なお、内部統制システムに関する基本方針及び当該体制の運用状況の概要は、当社コーポレート・ガバナンス報告書の「内部統制システム等に関する事項」をご参照ください。 http://www.alps.com/j/ir/ir_governance.html

アルプスアルパイングループ内部統制模式図

アルプスアルパイングループ内部統制模式図

 

社外取締役メッセージ

大変革期を勝ち抜くために、社外役員として経営をサポート

当社の社外取締役を5年間務めている飯田隆氏に、当社のコーポレート・ガバナンスに対する評価やアルプスアルパイングループへの今後の期待についてお聞きしました。


社外取締役メッセージ 飯田 隆

取締役
監査等委員(社外)

飯田 隆

5年間を振り返って

 私が当社の社外取締役に就任して、5年が経ちました。就任直前の2013年3月期の当社業績は、売上高が現在の約半分、営業利益も大変厳しい状況にありました。しかし、リーマンショックを乗り越え、溜めた力をこれから一気に開花させようとした時期でした。その後、当社は最大の強みである「生産技術力」により、自動機によるスマートフォン向け部品の超大量生産を実現し、また、自動車の電動化・電装化の波を捉え、車載市場向けの売上高を大幅に拡大させるなど、「飛翔期」を迎えました。
 この間、ガバナンスにおいては、監査等委員会設置会社への移行があり、更に、アルパインとの経営統合による事業持株会社への移行という重要な意思決定をしました。特に、経営統合については取締役会だけでなく、その他の機会も含め、大変真剣な検討・議論を重ねました。また、2019年3月期からは取締役会の構成員として、社外取締役に事業経営経験者や女性も加わり、大きな前進がありました。
 この5年間で、我が国のグローバル化は大きく進展しました。2015年に(株)東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを適用したのも、世界の投資家に我が国の上場企業のガバナンスを理解しやすいものにすることで、資本市場のグローバル化を推進するものでした。アルプスアルパイングループは、事業活動の面では、我が国でも有数のグローバル化が進んだ企業である一方、ガバナンスにおけるグローバル化については、引き続き取り組みを進めていく必要があります。

社外役員としての役割

 私は、法律実務家として四十数年が経ち、その間に数多くの企業の様々な局面に出会うことができました。また、複数の企業の社外役員として、企業活動を会社の内側から検討・議論する機会を多く得ることができました。その経験から、社外取締役として果たすべき役割は、株主をはじめとする全ステークホルダーの利益、即ち、企業にとって何がベストかを常に座標軸の中心に据えて判断し、行動することだと考えています。そして、リスク等を徹底的に熟慮した上で、原則的には経営陣を応援するというのが、私の基本スタンスです。
 また、監査等委員としての役割は、当社のサステナビリティ、即ち、事業活動への信頼性の維持・増進にあります。これには、2つの柱があります。それは、「コンプライアンス」と「品質への誠実性」です。後者には、「品質の向上」と「品質管理」という二面があります。この2つの柱をしっかりと建て、守り抜いていくことが肝要です。アルプスアルパインは、グローバル企業であるという自覚の下、事業活動のグローバルな信頼性を一層高めていかなければなりません。

これからのアルプスアルパイングループに期待すること

 現在、車載市場は、「CASE」と呼ばれる大変革の真只中に突入しています。アルプスアルパイングループのビジネスに占める車載市場のウェイトは非常に大きい。変化はチャンスです。この激変期にアルプス電気とアルパインが一体となり、より高度で強力な企業力を発揮しながら変革していくことが不可欠です。それが今、経営統合が必要とされた所以です。
 同時に、当社の強さである「生産技術」に更に磨きをかけ、今後も自動機による超大量生産の商機を貪欲に追求していく必要があります。更に、眼の前に大きく広がり、かつ、大変革期にある車載市場では、「多品種少量生産」が求められますが、競争優位性のある生産方式の確立は道半ばです。アルプスアルパイングループには、70年にわたり培われ、鍛え抜かれた「生産技術」と、それを支える「基礎力」があります。
 車載市場において、近い将来、必ずやその高い生産技術力を十分に発揮したハイレベルの生産方式を開発することが期待されるし、また、私もそれを後押ししていく所存です。