新しい感動が生まれる瞬間に寄り添う企業でありたい

 アルプス電気は、部品を使うお客様や利用を支援する事業パートナーとのつながりをとても大事にしている。社訓に「社会奉仕」「創意工夫」「信用の蓄積」を掲げ、共に価値を創造していく企業であり続けたいと念じている。

 スマートフォンなどICT分野から自動車やエネルギーなどの分野へ。アルプス電気が部品を届ける分野は、大きく広がった。そして今、本格的なIoT(Internet of Things)時代の到来を前に、これまで以上に広い分野との企業連携が求められている。アルプス電気は、従来お付き合いのなかった分野の企業・団体とも積極的につながり、これから求められるサービスやシステムを、部品レベルからつくり込んでいく。

人々の暮らしと社会活動を、より豊かに

高品質なデータの取得を通じて、次世代情報システムの進化に貢献

 ビッグデータ、IoT、人工知能をいかに活用して、困難な社会問題を解決していったらよいのか。世界中の企業や研究機関は今、全精力を傾けてこの課題に取り組んでいる。こうしたイノベーションが進む中で、アルプス電気が担うべき役割は極めて大きいと考えている。

 さまざまな場所に設置されたセンサから莫大なデータを吸い上げ、クラウド上でビッグデータへと統合し、人工知能がこれを教材にして学習し、高度で知的な情報サービスを提供する。今、世界中が構築を目指し、その効果的な利用法を考えている情報システムでは、高品質なデータを大量に取得することが、システムの価値を高めるうえでの起点になる。データは、処理対象であると同時に、人工知能の能力を高める教材でもあるのだ。

 データを取得する多種多様なセンサと、それを確実に伝送する通信モジュールを提供すること。これこそがアルプス電気に課された使命である。優秀な人工知能に育つのも、できの悪い人工知能に育つのも、教材となるデータの品質次第。知的な情報サービスの提供は、アルプス電気の製品を通じて取得する、品質の高いデータが大前提になる。

システムインテグレーターと連携して「新たな価値」を引き出す

 これから登場する情報システムの中で真価を発揮する製品を開発するため、また提供する製品の潜在能力を最大限まで引き出す環境を整えるため。電子部品メーカーであるアルプス電気は、先進的なシステムインテグレーターとの密な連携を模索している。

 例えばアルプス電気は、「IoT Smart Module」と呼ぶ汎用性の高いIoTシステム向けデータ収集・伝送モジュールを提供している。コンパクトな筐体でありながら、加速度や地磁気、気圧、温湿度、照度などのさまざまな環境データを収集し、高い信頼性で伝送することができる、高品質なセンサ技術とコネクティビティ技術を高度に融合させた、まさにアルプス電気らしい製品だ。

 ただし、いかに優れたモジュールでも、それ単独では真価を発揮できない。取得したデータを整理・解析して有効活用する情報処理システムと組み合わせてはじめて効果が現れる。そうした開発には、システムインテグレーターの技術と経験が注がれたサービス開発プラットフォームが欠かせない。アルプス電気は、先進的なシステムインテグレーターと連携し、お互いの強みを融合させたよりよいシステムの構築に貢献していく。

分野を超えて「新たな価値」をパートナーと共創

 また、取得したデータを価値の高いサービスに活用していくため、サービスプロバイダーとの協力も欠かせない。

 例えば、照度センサを使ってトイレの照明が点いているのか、消えているのか検知し、これを高齢者の見守りサービスに利用する場合。サービスプロバイダーが、センサの設置場所や取得したデータの意味づけに関わらないと、ただ明るさのデータを収集するだけに終わってしまう。

 介護や見守り、ファクトリーオートメーション、農業、医療・ヘルスケアなどさまざまな分野で、新たな情報の応用が広がっていく。多様な要求に迅速に応えるため、アルプス電気は、サービス開発の初期段階からサービスプロバイダーと協力し、実証実験を繰り返して、共に価値の高いサービスをつくり込んでいく。

日本が誇る“名人の知恵”を、“伝承できる技術”に変えたい

 アルプス電気は、農業をより高い価値を生み出す産業へと変えていく取り組みに参加している。気圧センサを応用して作った水位・水温計測システムを水田の管理に活用する実証実験を進め、既に大きな成果を得ている。

 稲作では、水田の水量の管理が収穫量と品質を決める。ところが、農業を効率化するために生産規模を大きくすると、数多くの水田の状況をきめ細かく把握することが困難になる。それぞれの水田に水位・水温計測システムを置くことで、遠隔地から状態を把握し、天候や稲の状態に応じた効率的な管理ができるようになる。また、これまで水位・水温と米のでき栄えの関係は、正確に把握されていなかったが、その相関を示す科学的なデータもアルプス電気の技術を使って得られるようになる。

 米づくりの名人は、タイミングを見計らって水を入れ替えたり、わざと水を抜いて根の張りをよくしたりと、高品質な米をつくるための多くの知恵を持っている。日本には、高品質な作物をつくり出す、国際競争力の高い農業技術がある。米だけではなく果物や野菜なども、日本の農作物は高値で取引されている。

 ただし、高度な農業技術を持った名人がたくさんいるわけではない。しかも後継者不足で、その優れた知恵が絶えてしまう懸念もある。アルプス電気は、“名人の知恵”を“伝承できる技術”に変え、日本の農業の価値を高めるために貢献していく。