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中国市場におけるコネクテッドビークル社会実現に貢献する

Cellular-V2Xオールインワンモジュールを開発、量産開始

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2020年09月28日

Cellular-V2Xオールインワンモジュールを開発、量産開始 写真

Cellular-V2Xオールインワンモジュールを開発、量産開始 拡大写真

 アルプスアルパイン株式会社(TOKYO:6770、社長:栗山 年弘、本社:東京(以下、アルプスアルパイン)は、インテリジェント交通システム・スマートシティおよび自動運転領域向けのCellular-V2Xオールインワンモジュール「UMCC1シリーズ」を開発、2020年7月より量産を開始しました。


 超高速・超低遅延・多数同時接続を特長とする第5世代移動通信システム(5G)は、今後の社会インフラを支える技術として期待されており、2019年以降、世界各国で通信環境の整備や関連技術の開発が進み、その社会実装に向けた取り組みは今後ますます加速していくものと思われます。特に、次世代移動通信システムのキラーアプリケーションとして最も注目されているのが、安全で快適な自動運転の実現に向けたコネクテッドビークル分野への応用です。そのなかにおいてCellular-V2Xは、コネクテッドビークルの重要なアプリケーションの一つとなり、現在、中国では5Gによるサービス利用を見据えた第4世代移動通信システム(4G:LTE)による実用化を推進。Cellular-V2Xを基盤とした車両間(V2V)や車両とインフラストラクチャ(V2I)等との連携による商用化においては、その市場規模やネットワーク整備状況などで世界の先頭を走る国といっても過言ではありません。


 アルプスアルパインではこれら市場の進捗に対応すべく、中国市場向けのCellular V2Xオールインワンモジュール「UMCC1シリーズ」を開発、2020年7月より量産を開始しました。本モジュールは、3GPP※1Rel.14規格に準拠するとともに、アプリケーションプロセッサおよび、V2Xプロトコルスタックを標準搭載したオールインワンタイプとなっているため、車載ユニット側のHOST CPU負荷を低減。また、モジュール用電源回路(PMIC※2)を内蔵しているため、車載ユニットの単機能~高機能までのシステム拡張を一つのプラットフォームで容易に行えます。加えて、セットメーカーにおける製品評価が可能な「Evaluation Board & Kit(Cellular-V2Xモジュール評価キット)」を準備しているため、ユニット設計の開発・評価工数の軽減にも貢献します。


 尚、本モジュールは2018年11月に戦略的パートナシップ契約を締結した、中国・大唐電信(大唐电信科技产业集团)のグループ会社、大唐高鸿(大唐高鸿数据网络技术股份有限公司)と共同開発。中国市場におけるメイドインマーケットに対応しています。また、IMT-2020※3実証実験にも参画しており、高い相互接続性と信頼性を実現したモジュールとなっています。


 アルプスアルパインでは、本モジュールの市場導入を通して、中国市場および将来的にはグローバルマーケット向けの5Gモジュールの製品開発を加速させるとともに、コネクティビティ領域の更なる製品力強化に取り組んでいきます。また、デジタルキャビン構想におけるソリューションコア技術として、HMI(Human Machine Interface)やセンシング技術との融合を図り、次世代自動車社会の快適なユーザーエクスぺリエンスを実現してまいります。


※1 3GPP (Third Generation Partnership Project):次世代移動通信システムの仕様の検討・作成を行う標準化プロジェクト
※2 PMIC(Power Management IC):複数の電源レールおよびパワーマネージメント機能をシングルチップに内蔵した集積回路
※3 IMT-2020 (International Mobile Telecommunications-2020):5Gネットワーク、デバイスおよびサービスに関して、国際電気通信連合 (ITU)のITU Radiocommunication Sector (ITU-R)によって発行された標準

<コネクテッドビークル領域への製品展開イメージ>

Cellular-V2Xオールインワンモジュールを開発、量産開始

<ブロック図>

Cellular-V2Xオールインワンモジュールを開発、量産開始

<Evaluation Kit>

Cellular-V2Xオールインワンモジュールを開発、量産開始

【主な特長】

小型かつ相互接続性に優れたオーインワンタイプ

  1. 中国向け3GPP Rel.14(PC5 mode4)に準拠
  2. アプリケーションプロセッサおよびV2Xプロトコルスタックを搭載
  3. 電源回路(PMIC)内蔵
  4. デュアルアンテナ(受信ダイバシティ、送信シングル)対応

【主な用途】

テレマティクス制御ユニット(TCU)

V2Xオンボードユニット(OBU)

V2X ロードサイドユニット(RSU)


【販売計画】

量産開始 2020年7月
月産 20万個(2021年1月)
開発 技術本部 古川開発センター(宮城県大崎市)
生産 中国・大連工場(遼寧省大連市)

 

【主な仕様】

製品名(番号) UMCC1シリーズ
外形サイズ(W×D×H) 39.7mm×35.8mm×3.82mm
周波数範囲 5905-5925MHz
帯域幅 10/20MHz
使用温度範囲 -40~+85℃
電源電圧 +5.0/+3.8V
送信出力 +23dBm max.
受信感度 -97dBm @ 6Mbps(QPSK)